2004年10月05日
ベンゼンのUS/CP、10月分は374セントに下降
SMや製油所の脱硫対応の定修の集中が影響か
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:なし

 上昇一途をたどっていた米国のベンゼン(BZ)の月間コントラクト価格(US/CP)が5ヶ月ぶりに反落することが決まった。米国のサプライヤーとユーザーの双方が10月のUS/CPをガロン当たり374セントとすることで合意したことによる。9月分に比べると同21セント安となる。 
 BZのUS/CPは今年5月の同228セントをボトムに毎月史上最高値を更新し、9月にはついに同395セントまで上がった。それが10月に反落することになった最大の要因としては、欧州で大型スチレンモノマー(SM)装置の定修が9月中旬から相次いでスタートしてBZの需要が一時的に縮小する事態になったことと、米国における製油所の脱硫対応装置の多くが11月に同じく定修で運休するのに伴いトルエンの市況が軟化し始めたことの2点が挙げられている。
 このうちのSMの定修は、アトフィナ、BPケミカル、ダウケミカル、ポリメリ、シェルケミカル--の計5社が実施中のもので、国内のある大手商社の調査では、これによって9月中旬から10月中旬までの1ヶ月における欧州のSMの生産量は約30%縮小する通しとなっている。
 
 もっとも商社の多くは、これらの定修の完了後は再びBZの需要が拡大、加えて米国で硫黄規制に対応した新規格ガソリンの生産が本格的に始まることもあって、BZの需給は11月から12月にかけて再度逼迫し市況も反騰すると予想している。
 加えて、ナフサ価格は第4・四半期にさらに引き上げられるのが確実となっている。このためわが国のBZ誘導品メーカーは、第4・四半期の製品価格を引き下げることは無理と判断している。