2004年10月05日
三井化学、BPA第4次値上げ「輸内価格差縮小」へ
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は5日、ビスフェノールA(BPA)の第4次値上げを発表した。10月出荷分からキログラム当たり20円値上げする。原料であるベンゼンやナフサ価格の高騰が続き、これまでに実施してきた3度の値上げでも妥当な事業収益が確保できていないためとしている。
 
 同社は今年に入り、第1次値上げとして19円(妥結額は15円)、第2次で16円(同15円)、第3次33円(同33円)と、3度にわたり合計キロ63円の値上げを行った。
 
 しかしBPAのアジア市況は、年初のトン当たり1,000ドルから、この第4四半期には1,950ドルと大幅に上昇(キロ当たり100円)、日本国内の値上げ幅63円を大きく上回っている。このためアジアのBPAユーザーからは不満の声が出始めている。
 
 日本の需要不足量を一部海外メーカーからの調達で補っている同社としては「こうしたアジアと日本の逆輸内価格差約40円を縮小しないと、国内の安定供給が難しくなる状況」にあるという。すでに原料のベンゼンやフェノールには、こうした内外価格差を縮める動きが出ているといい、今回のBPA第4次値上げは「国内需要家に対する安定供給と採算の是正」を図るためだと説明している。