2001年10月31日
旭化成、「レオナ」の増設を完了
年産76,0000トン体制を確立
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:旭化成

 旭化成は、かねてから延岡工場内でポリアミド(PA)66樹脂(商品名・レオナ)の増設工事を進めていたがこのほど完工し、試運転に入った。
 
 今回の工事は年産4万6,000トン能力の設備を同7万6,000トン規模に拡大するためのもの。同社では、増設設備を1ヵ月ていど試運転し、11月下旬から営業運転に入る予定。

 現在同社は、POM(同・テナック)、変性PPE(同・ザイロン)、PA66の3種類のエンジニアリング樹脂を国内で生産。加えて米国、英国、フランス、タイの海外4ヵ国ではこれらの樹脂のコンパウンドも手がけている。

 いずれも着実な成長を遂げているが、その中でもレオナは、強度、耐熱性、剛性、加工性--といった特徴が評価されて特に高い伸びを示している。このため現在同社は、PA66ではわが国最大のシェアを確保している。主な市場は、自動車部品、電機部品、OA機器部品などだが、最近はいずれの分野でも輸出比率が急速に高まっているという。需要家の多くが海外に進出する傾向が強まっているためで、現在のレオナの輸出比率は55%に達している。

 今回の増設は、こうしたレオナの需要の国際的な広がりに対応してのもの。同社ではこれに続いて、シンガポールでPPEと変性PPEのシンプラントを建設中。設備規模はPPEが4万8,000トン、変性PPEが2万1,000トン。完成は、ともに来年10月の予定である。