2004年10月07日
PPの第3次価格交渉も早期決着
キロ12〜15円アップを需要家が容認
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:住友化学、東セロ、日本ポリプロ、三井化学

 日本ポリプロ、三井化学、住友化学などPP各社と二村化学、東セロ、三甲などPP加工製品メーカー各社との間で進められていた同樹脂の第3次値上げ交渉が6日までに決着した。
 
 上げ幅は、グレードの種類や取り扱い数量の規模等々によって若干異なるが、大方がキログラム当たり12〜15円の範囲内となった模様。樹脂メーカー側の希望がおおむね受け入れられた。汎用樹脂の第3次値上げ交渉では、PSに続いての早期決着となった。
 
 比較的短期間で決着した最大の要因は、全ての品種の需給が国の内外を問わず急速に逼迫してきたことから多くの需要家が操業を維持していくために先ずは原料の安定確保を図ることにエネルギーを集中せざるを得なくなった点にあると言ってよい。需給の逼迫は、需要自体が内外ともに予想以上に拡大してきたのに加えて、原油の高騰に伴うナフサ価格の全世界的な急騰に対処して価格が相対的に低水準にある汎用樹脂の生産調整に踏み切るところが出てきたことや、海外からの安価なレジンの手当てが完全に不可能となってきたことなどいくつかの圧迫要因が同時に表面化したことでもたらされたもの。
 
 今後の焦点は、フィルムメーカーや射出成形メーカーなど需要家各社が今回の第3次値上がり分をそれぞれの製品価格に転嫁していくに当たって各ユーザーに対していかに強腰で接触していくかに絞られる。