2004年10月08日
L-LDPEの輸入が一段と活発に
市場に国産品の先行き供給に不安感
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 L-LDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)の輸入が一段と活発になってきた。8月の輸入通関数量は1万6,192トンで、今年5月の1万5,320トンを抜いて月単位での史上最大の規模となった。前年同月の実績を37.2%上回っている。
 
 汎用樹脂の輸入の中ではだんとつの規模となっており、また前年同月の実績に対する伸びの高さでも他を断然圧倒している。国別では引き続きサウジアラビア品がトップを占めて7,028トン(前年同月比195.6%)となっており、以下には米国品の2,892トン(同126.1%)、シンガポール品の2,292トン(同137.2%)、タイ品の1,18トン(同96.8%)、韓国品の1,802トン(同109.2%)--などが続いている。
 この結果、今年1〜8月の総輸入量は10万トンの大台を早くも突破して10万5,546トンとなった。前年同期を14.9%上回っている。昨年の年間総輸入量は13万9,165トンで前年比108.8%という高い伸び率となったが、今年はそれをさらに上回るペースの拡大を遂げているわけ。トップはサウジ品の3万2,712トン(前年同期比120.9%)で、以下は米国品の2万4,565トン(同126.3%)、韓国品の1万5,167トン(同115.7%)、タイ品の1万5,012トン(同105.1%)、シンガポール品の1万4,741トン(同139.2%)--となっている。
 
 1〜8月の中でも伸びが高いのは4月以降の各月だ。国内のL-LDPEメーカー各社が相次いで値上げを表明し、中にはナフサの高騰を理由に同樹脂の減産計画を打ち上げるところも出始めた時期とタイミングが一致する。先行きの価格と供給の両面に対する不安感の高まりから需要家の多くがこれまで以上に積極的に海外玉の手当てに動き始めたのが輸入急拡大の最大の要因と見られる。
 ただし、L-LDPEの場合も世界的に需給がタイトに向かっているので、今後もわが国の需要家が大量に手当てできるかどうかは疑問と言えそう。