2004年10月12日
PE袋の輸入企業が大幅値上げを量販店各社に通告
中国等でのコストアップ分の転嫁を目指す
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 中国をはじめとしたアジア各国のPE袋を輸入販売しているトレーダーやPE袋メーカーは、先月中旬以降に相次いでスーパーやコンビニエンストア各社に対して大幅値上げを通告しはじめた。これまでにない新しい動きだが、各社とも原料レジンが高騰していることを理由に極めて強い態度で交渉に臨んでおり、これに量販店各社がどう対応するかが注目される。
 
 中国などアジア地域で製造されてわが国に持ち込まれるPE袋の数量は、年々増加の一途をたどっており、最近は月間3万5,000〜3万6,000トンに達している。わが国におけるPEフィルムの月間販売数量は、農業用を除くとおおむね6万トンなので、輸入PE袋の構成比率はおよそ58%ということになる。輸入品のうちの43〜44%は中国品で占められている。人件費の安さが大きな武器となってのものといえる。輸入価格は、為替によって多少変動するが今年1〜8月の全体の平均はキログラム当たり153円となっている。国産品をおおむね30円下回るレベルと見られる。
 海外品を輸入しているのはトレーダーだけではない。大手フィルムメーカーの中にも、自ら中国等に資本進出して現地生産し、安価な製品を日本に持ち込んで販売しているところが多い。このため最近は量販店のほとんどが輸入PE袋を採用するようになってきており、コンビニやスーパーの大手は必要量の90%以上を輸入品で賄っていると見られている。
 
 そうした輸入各社がここにきて突然打ち出してきたのは、キロ30〜50円という大幅な値上げ表明である。多くの企業が10月の出荷分から実現した意向で、中には、要求が受け入れられない場合は供給を辞退する旨を匂わすところもあるようだ。サプライヤー側の狙いは、日本国内以上に上昇の幅が大きい中国等における原料樹脂の値上げによって一気に顕在化してきた採算割れを解消することにあるだけに、値上げに難色を示す量販点各社との間でかつてない激しい攻防が繰り広げれることのなりそう。