2004年10月12日
東セロも各種フィルムの2次値上げを表明
11月1日出荷分から1連当たり300円以上引き上げ
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:東セロ、東洋紡

 東セロは12日、ポリオレフィンフィルムならびにアルミ蒸着・透明蒸着フィルムの価格を11月1日出荷分からそれぞれ1連当たり300円以上引き上げると発表した。今年春に続く第2次値上げとなる。

 このうちのポリオレフィンフィルムは、PP延伸フィルム、PP無延伸フィルム、直鎖状低密度ポリエチレンフィルムの計3種類。これらのフィルムの第二次値上げの表明は、東洋紡績、二村化学に続いてこの日の同社が3社目。

東洋紡績は10月21日出荷分から1CC当たり3銭(20ミクロン換算で1連当たり300円)引き上げると10月4日に発表。一方の二村化学も、同じく10月21日出荷分から1連当たり300円値上げする旨を10月8日に明らかにしている。中堅メーカーのサントックスも近く再値上げを表明することになりそう。
 
 今回の2次値上げについて東セロでは、原料樹脂および蒸着原反PETフィルムの価格の再値上げ分と副資材や運賃ならびに重油の高騰分の転嫁が目的と説明している。

 このうちのポリオレフィンの値上げについては「当社では原料樹脂メーカーから通告された10月1日からの第3次値上げに対してはこれまで強く反対してきたが、さらに拒否し続けると供給を停止される公算が濃厚となってきたことから製品の安定供給責任を果たすため受け入れざるを得なくなった」(横山弘・取締役包装フィルム営業部長)と述べている。

 現在のポリオレフィンの需給バランスは内外の需要の拡大に伴ってこれまでいない逼迫状態にあり、このため同社のみならず樹脂加工メーカーは軒並み第3次値上げを受け入れるほかなくなっている。

 しかし各社とも原料価格の上昇分を自ら吸収できる余裕はなく、したがって、事業を継続していくためには製品価格に転嫁せざるを得なくなっているのが実情であり、今後も多くの加工メーカーが同様の理由で価格修正を打ち上げることになると見られる。