2004年10月13日
対KPCナフサ価格交渉が物別れに
日本側各社が高値プレミアムを拒否
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:住友化学、丸善石油化学、三井化学、三菱化学

 三菱化学、丸善石油化学、三井化学、住友化学など日本の石油化学企業や大手商社などがクウェート石油公社(KPC)との間で進めていた“12月起こし分”のナフサの価格交渉が物別れに終わった。
 
 今回の交渉は、日本側各社がKPCから引き取る石油化学用ナフサのうち今年12月から来年11月までの1年間分の価格をいくらにするかを話し合うためにセットされたもの。かねてから双方の間では、プラッツオイルグラムのアラビア湾積みスポット価格を基準価格としてそれに1年単位のプレミアムを上乗せする方式を採用していくことで基本合意ができており、今回の話し合いはそのプレミアムをいくらにするかを決めるためのものであった。

10月4日から東京で交渉が始まったが、KPC側がトン当たり17ドルを提示、対する日本側の多くが9ドルを強く主張したため最初から話し合いが難航、その後双方が多少の歩み寄りを見せたもののなお大きな開きを埋めるに至らず12日をもって双方とも決着を断念したもの。

 途中から韓国、台湾、インドの各国の石化企業やトレーダーも話し合いに参加したが、同様に折り合いが付かず決裂となった。

 産油国とわが国の石化企業等との間でのプレミアム交渉が物別れとなるのは極めてめずらしいケース。三菱化学が昨年7〜12月分についてサウジアラムコの提示価格を拒否していらいこの数年では今回が2度目となる。

 日本側各社がKPCの要求を拒否したのは、ナフサの国際需給バランスが必ずしもタイトでない中で安易に産油国の言い分を受け入れるのわけにいかないと判断したため。これに対して今後KPCがどういった態度で出てくるかはいまのところ不明だが、仮に12月起こし分を止められても困ることにはならないと述べるところが多い。