2004年10月15日
三井化学,PTAの対中輸出価格交渉が大詰め
10月分を前月比30ドル高の910ドルに底上げ
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:三井化学、三菱化学

 三井化学は、中国のPTAの需要家各社との間で10月のPTAの輸出価格を巡る話し合いの最終的な煮詰めに入った。9月の輸出価格については、8月比トン当たり85ドル高の880ドルとすることで中国側各社の同意を得ているが、10月はさらに30ドル引き上げて910ドルとする考え。英・BPケミカルや三菱化学もおおむね同ていどの幅の引き上げを狙って交渉中。
 
 今回の輸出価格の引き上げも、原料PX(パラキシレン)の値上がりに対応してのもの。PXの10月の価格は、前月よりさらに同50ドル高い940ドルに引き上げられることになっている。三井化学では、それに伴うコストアップ分をそのまま輸出価格に転嫁しようとしているわけ。PTAの需給バランスは、中国の需要がポリエステル繊維の生産の最盛期入りもあって一段と拡大しているためここにきて世界全体で逼迫の度合いがさらに深まっている。したがって、同社の要求が中国側に受け入れられる素地はある。
 ただし、最近の原油やナフサの国際市況の急上昇ぶりから推して、PXの価格が11月にもう一段高となる公算が濃厚なので、同社などPTAメーカー各社は引き続き厳しい局面に立たされそう。