2004年10月18日
酢酸の中国向けスポット価格は反発
設備のトラブル続出による品不足が影響
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:昭和電工

 酢酸の中国向けのスポット価格が先週明けから反発、直近のCFR価格はトン当たり750〜770ドルまで回復してきた。9月下旬に比べると30〜40ドルのアップである。今年のピークの9月上旬のレベルにあと30〜40ドルに迫っている。
 
 酢酸のスポット相場がここにきて急回復してきたのは、9月初旬から10月上旬までの1ヶ月間に、BPケミカルズのマレーシア、セラニーズのシンガポール、昭和電工の大分の各工場がCOガス装置の操業トラブルや台風の影響等で相次いで運休したことによってアジア地域の供給量が激減したため。
 特に影響が大きかったのは、マレーシアとシンガポールの大型設備が長期にわたって止まったことであった。マレーシアでは年産50万トンプラントが3週間、またシンガポールでも同50万トン能力の設備が4週間それぞれ運休した。現在はいずれも復旧しているが、この1ヶ月の大幅減産でアジア全域における市中在庫がほぼ底をついたことから各プラントの操業が通常のレベルに戻ったいまも全体に品不足状態が続いていて、このため最大消費国の中国向けを中心にアジアのスポット相場が急回復してきているというもの。
 
 アジア地域の需給は、来年春に中国と台湾で新・増設プラントが稼動を開始するまではタイトバランスが続く見通しにある。したがって、スポットものに加えてコントラクトものも
今後は底上げが順調に進むものと見られる。