2004年10月18日
出光興産、高効率・長寿命の緑色有機EL材料を開発
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:出光興産

 出光興産は18日、次世代ディスプレイとして注目される有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)の材料として、新たな蛍光型の緑色発光材料を開発、りん光に匹敵する世界最高レベルの高効率化と長寿命化に成功したと発表した。2005年1月からサンプル出荷を開始する。

 有機ELディスプレイは電気を流すと自発光するため、視認性の良さ、動画品質の高さ、バックライトが不要となるなどから超薄型が可能となる。このため各メーカーが開発を急いでいる。ただ商品化に向けては、有機EL材料のさらなる高効率化(液晶以下の消費電力)や大幅な寿命性能向上(中小型テレビで30,000時間)が課題とされてきた。

 従来から蛍光型は寿命は長いが効率が低く、また、りん光型は効率は高いが、寿命が短いとわれてきた。今回同社はディスプレイの画素を構成する三原色(赤色・緑色・青色)のうち「緑色発光」で、電子輸送材料と緑色発光材料の両方の分子構造を改良した。これを組み合わせて、りん光型に匹敵する高効率(電流ー輝度効率)30cd(カンデラ)/Aで、2倍以上の半減寿命40,000時間を達成した。

 2005年1月からサンプル出荷するが、今後は携帯電話、カーオーディオ、カーナビ、中小型テレビ等のフルカラー有機ELディスプレイの商品化に大きく寄与できるとしている。

 なお、10月20日〜22日にパシフィコ横浜で開催される「FPD International 2004」にこの成果を展示する。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/1018idemitsuEL.doc

写真
http://www.chem-t.com/fax/images/1018idemitsuphoto.jpg