2004年10月19日
PSの9月の出荷、先行需要の反動で前年を下回る
7〜9月期はFS用以外が好調で5%増に
【カテゴリー】:実績/統計
【関連企業・団体】:日本スチレン工業会

 日本スチレン工業会が19日に集計したところによると、PS(ポリスチレン)の9月の出荷数量は7万5,492トンとなった。前年同月の実績を9%下回っている。4ヶ月振りの前年同月割れである。
 
 出荷のうちの圧倒的多数を占める国内向けは7万2,700トンで前年を7%下回った。7ヶ月振りの前年同月割れである。電機工業用こそ白もの家電の需要の拡大を支えに3%増えたものの、それ以外の包装用、雑貨産業用、FS用がいずれもマイナス成長となった。それぞれ8%、7%、14%の縮小となっている。同工業会では、原料の先高観に基づいて8月に発生した先行需要の反動がで出たためと分析している。
 輸出は、引き続き各社が採算を確保できる特定用途向けの成約に徹したため9月も43%減となった。
 
 一方の生産量は、7万7,529トンで前年同月を8%上回った。前年と異なり定修による運休プラントが皆無であったことによる。これに伴う月末在庫は7万5,114トンとなった。前年同月を18%下回っている。在庫率は1.0%と引き続き低水準となっている。
 
 こうした結果、7〜9月期の実績は、出荷量が前年同期比3%増の24万4,561トン、出荷量が同7%増の23万2,806トンとなった。出荷のうちの国内向けは同5%増の23万4,050トンとなっている。FS用は3%減となったが、電機工業用と包装用はともに5%増となり、雑貨産業用にいたっては13%もの増加となっている。電機工業用の伸びは、白もの家電と事務機向けの需要の拡大によるもの。包装用の成長には、夏場の猛暑がプラスに働いたと見られている。雑貨産業用の大幅増は、原料の先高を予想しての先行需要の発生によところが大きいというのが関係筋に共通した見方となっている。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/1019smps.TIF