2004年10月19日
化学5団体「温暖化対策新税」に反対、協議会が発足
「化学産業団体・地球温暖化対策協議会」 代表に大橋日化協会長
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:旭化成、旭硝子、宇部興産、クラレ、昭和電工、住友化学、東亞合成、東ソー、東洋紡、トクヤマ、三井化学、三菱化学、塩ビ工業・環境協会、石油化学工業協会、日本化学工業協会、日本ソーダ工業会

 日化協、石化協、ソーダ工業会、塩ビ工業・環境協会、化繊協会の化学関連5団体は19日、一層の省エネを図り、環境と経済を両立させた「適切な地球温暖化防止策」を提言していこうと「化学産業団体・地球温暖化対策協議会」を設立、代表に日化協の大橋光夫会長(昭和電工社長)を選出した。日化協が事務局となり今後活動を展開する。

 わが国の地球温暖化対策をめぐっては、京都議定書の削減目標達成が困難との見通しから、政府の審議会などで追加的施策案が打ち出されており、中央環境審議会地球環境部会では「地球温暖化対策税」の新設、企業にCO2の割り当てを行う「国内排出量取引制度」の導入を提案している。

 化学業界は、温暖化対策の一つとしてすでに昨年改正された石油石炭税により、エネルギーに対して高額な税を負担している。「温暖化対策税」は、エネルギーに新たに追加される税で、効果が疑問視されているだけでなく、さらなる増税により、わが国産業の国際競争力を失わせ、産業の空洞化を招来し、CO2の削減義務を負わない途上国等への生産移転により地球規模でのCO2排出量が増加するおそれがある。

 また、国内排出量取引制度は、政府が企業のエネルギー使用量を事前に定める規制的・統制経済的な色合いの濃い政策で、本来、市場メカニズムによるべき産業構造の転換・高度化をいたずらに歪めるおそれがある。

 すでに世界最高水準のエネルギー効率を達成しているわが国化学産業は、環境との調和を目指した経済発展を実現していこうと、連携してこの問題に積極的に取り組んでいくことにした。

 化学業界は、1997年に温暖化対策推進のための「環境自主行動計画」を作成・公表していらい、これまで着実に成果を上げてきた。引き続き温暖化対策に取り組んでいるが、この課題は、基本的には「国、自治体、企業、家庭などのあらゆるレベルで対策を実行していくことが重要だ」としている。

【化学産業団体・地球温暖化対策協議会 メンバー】(敬称略)

大橋光夫 日本化学工業協会会長(昭和電工社長)
蛭田史郎 石油化学工業協会会長(旭化成社長)
福澤文士郎 日本ソーダ工業会会長(東亞合成会長)
中原茂明 塩ビ工業・環境協会会長(トクヤマ社長)
津村準二 日本化学繊維協会会長(東洋紡績社長)
石津進也 旭硝子・取締役 ・取締役会議長
土屋隆 東ソー・社長
常見和正 宇部興産・会長兼社長
冨澤龍一 三菱化学・社長
中西宏幸 三井化学・社長兼会長
米倉弘昌 住友化学・社長
和久井康明 クラレ・社長

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/1019jcia.doc