2004年10月20日
日立化成、高性能STI用CMPスラリーを開発
—研磨傷を従来の3分の1に低減、平坦化性を従来の2倍に—
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:日立化成工業

 日立化成工業は20日、研磨傷を従来品に比べて3分の1に低減し、平坦化性を2倍に高めた高性能のSTI用CMPスラリーを開発したと発表した。来年1月をめどに本格販売を開始する。

 CMP(Chemical mechanical planarization)とは、半導体の素子分離工程や回路形成工程上発生した凹凸を研磨、平坦化する技術のことで、CMPスラリーはこの用途に使用される研磨液。またSTI(Shallow Trench Isolation)は、シリコンウェハー上の何百万個もの半導体素子をそれぞれ電気的に絶縁する「素子分離」の方法の一つ。CMPによって発生する研磨傷が歩留りを悪化させるため低減が求められていた。

 当社はこのほど、現在の研磨速度を維持したままCMPプロセスでの研磨傷を従来の3分の1に低減でき、平坦化性も従来の2倍に高めることができる高性能のSTI用CMPスラリーを開発した。
 
 酸化セリウム粒子のサイズを従来品に比べ約60%まで微小化したもので、2005年1月をめどに山崎事業所(茨城県ひたちなか市)に年間600トンの量産体制を構築し、本格販売を開始する。投資額は約10億円。酸化セリウム粒子の微小粉砕装置を導入するほか、将来への事業拡大を視野に入れ建屋の増築などを行う。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/cgi-bin/fax/search.cgi?CODE=2751