2004年10月20日 |
PVCの国内向け出荷、9月も前年比3.6%増と順調 |
VCMは生産が台風の影響で大幅減に |
【カテゴリー】:実績/統計 【関連企業・団体】:大洋塩ビ、塩ビ工業・環境協会 |
塩ビ工業・環境協会が20日に集計したところによると、PVC(塩ビポリマー)の9月の生産量は18万1,658トン、出荷量は19万6,426トンとなった。前年同月の実績に対比すると、生産は1.2%減、出荷は0.5%減となる。生産は2ヶ月連続の前年同月割れである。また出荷は4ヶ月振りの前年割れとなった。 生産の減少には、VCM(塩ビモノマー)の生産が台風の影響で大幅減となったことが少なからず影響した模様。 出荷の減少は輸出の縮小によるもの。国内向けは需要が引き続き順調なため前年を3.6%上回って14万2,022トンとなった。しかし輸出は、全体に供給余力が乏しくなったことから9.8%減って5万4,404トンとなった。 国内向け出荷のうち、硬質用は2.0%増、軟質用は9.6%増といずれも好調を維持した。電線用その他も0.8%増と小幅ながら3ヶ月ぶりにプラスに転じた。 この結果、7〜9月期トータルの生産量は52万2,904トンで前年同期の横並びとなった。一方の出荷数量は54万6,600トンで前年同期を1.2%上回った。うち国内向けは36万7,754トンで同1.9%増となっている。電線用その他は3.2%減であったが、硬質用は2.3%増、軟質用は4.5%増とともに順調な伸びを遂げた。 日野清司・同協会副会長(大洋塩ビ社長)は、同樹脂の需給の現状について「かつての過剰設備を各社が思い切って処理したことや、リサイクル対策など環境対策に業界全体が懸命の努力を重ねてきたことが実を結んできたこと等が相俟って現在の需給は極めてタイトな状況にある」と説明、そして当面の見通しについては「10と11月は、台風によるVCMの9月の大幅な減産が響いてさらに逼迫の度合いが深まる公算が濃厚」との見解を示した。 VCMの9月の生産は21万8,753トンで前年同月比12.8%減、出荷は22万7,975トンで同7.8%減となっている。7〜9月期合計は生産が73万7,309トンで前年同期比4.0%減、出荷が70万6,704トンで同2.1%減。 |