2004年10月25日
PVCの対中輸出価格、11月分は980〜990ドルに
上昇率がさすがに鈍化、10月比は10〜20ドル高
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:大洋塩ビ

 信越化学、大洋塩ビなどわが国のPVC(塩ビ樹脂)メーカーが中国の需要家筋との間で進めていた同樹脂の11月分の輸出価格交渉が先週末に決着した。それによると、11月渡し分のCFR価格はトン当たり980〜990ドルとなった。過去最高の91年秋の同1,000ドル強に迫るレベルとなっている。
 
 これで、同樹脂の対中輸出価格は8月の同810〜820ドルをボトムに3ヶ月連続の上昇となった。原燃料価格の続騰に伴うコストアップ分の輸出価格への転嫁を中国側の需要家各社が今回も受け入れたもの。ただし10月分に対する上げ幅は10〜20ドルと小幅にとどまっている。これは、中国の塩ビ加工企業の多くが相次ぐ輸入PVC価格の上昇によってこれまでにない窮地に陥っている点を考慮して日本と台湾のPVCメーカーが上げ幅を極力縮小することにしたためと見られる。また、9月いらい特に深刻度が増してきたVCM(塩ビモノマー)の品不足によって中国側が希望するだけの数量を供給できなくなってきたことも、小幅にとどめる要因の一つになったのではないかと見られている。