2004年10月27日
旭化成ケミ、ANの対中輸出価格をさらに引き上げへ
今週末から交渉、11月分をトン1,400ドル以上に
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:旭化成、旭化成ケミカルズ

 旭化成ケミカルズはこのほど中国のAN(アクリロニトリル)ユーザー各社に対して、11月のANの輸出価格をCFRトン当たり1,400ドル以上にしたいとの考えを表明した。

 10月の価格は同1,350〜1,380ドルなので、11月分の上げ幅は20〜50ドルと比較的小幅となる。同社では、今週末から現地でABS樹脂メーカーやアクリル繊維メーカーなど需要家各社と話し合いを始める。

 中国におけるANの需要はカーペットやカーテン等の繊維向けとABS樹脂向けを中心に引き続き旺盛。一方の供給能力は、米国の大手ANメーカーが原料プロピレンの高騰に対処して相次いで生産を縮小しているのに加えて、アジア最大手の旭化成ケミカルズの定修が重なったことから依然として需要量を下回る状態で推移している。

 今後も中国を中心としたアジアの需給バランスは、BP/シノペックが年産26万トンのAN設備を立ち上げる見通しにある来年3〜4月までは、タイトのまま推移すると見られている。このため今回も、同社の提示価格が中国側に受け入れられる公算はかなり高い。