2004年10月27日
中外製薬の抗体研究成果、米国血液学会雑誌「blood」に掲載
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:中外製薬

 中外製薬は27日、同社の低分子アゴニスト抗体医薬に関する研究成果が、米国血液学会雑誌「blood」の2005年1月15日発行号に掲載されると発表した。
 
 今回同誌に掲載される抗体は、TPO(Thrombopoietin:血小板増多因子)受容体と結合することによりTPO様の活性を示す、アゴニスト作用を有しているところに特長がある。
 
 従来の抗体医薬の多くは、標的分子に結合することにより、その分子がもつ活性を阻害するアンタゴニストとして作用する、あるいは生体内で起こっている抗原抗体反応と同様の免疫反応によって抗原となる細胞を傷害することで薬効を発揮するものだった。
 
 中外製薬では、次世代抗体医薬研究を行った結果、新しいタイプのアゴニスト抗体の創製が可能になった。これによりTPOに適用し医薬化の道を開く可能性が拡がってきた。

 同社はこれまで、バイオ医薬品の研究開発および製剤化に積極的に取り組んできた。この研究は、第1段階でEPO(赤血球増殖因子)やG-CSF(好中球増殖因子)などの生理活性タンパク質の医薬化、第2段階でヒト化抗ヒトIL-6受容体モノクローナル抗体「MRA」などのタンパク質のアミノ酸置換によるヒト化抗体の創製と医薬化となった。今回は第3段階として低分子アゴニスト抗体の創製を実現した。
 
ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/1027chugai.pdf