2004年11月08日 |
NUC、メタロセンPEの実証試験生産を繰り延べ |
L-Lの在庫不足に対処、当面L-Lを集中生産 |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:エクソンモービル、日本ユニカー |
日本ユニカーは、11月上・中旬にL-LDPEプラントを使って実施する予定であったメタロセン・ポリエチレン(商品名・ユニマイティー)の3度目の実証試験生産を来年1月中旬まで延期する方針を固めた。これは、L-LDPE(同・NUCポリエチレン-LL)の需要が予想以上の伸びを続けていて現在の在庫規模では対応していけないことがはっきりしてきたため、暫くはL-LDPEプラントでの生産を同樹脂に限定していくことにしたもの。 同社が新たに企業化することにしている「ユニマイティー」は、エクソンモービルのメタロセン触媒技術とUCCの気相法重合技術との組み合わせによる高強度・高透明ポリエチレン。同社では、来年春から既存の年産11万トン能力のL-LDPEプラントを使って「NUCポリエチレン-LL」と「ユニマイティー」を切り替え生産していく計画。初年度の生産・販売規模としては3万トンを予定している。 これに先駆けて同社では、生産技術と製品の品質の両面をチェックするため昨年6月と今年5月にそれぞれ2週間ていど「NUCポリエチレン-LL」の生産を中断して同設備で「ユニマイティー」を製造、さらにこの11月には3度目の実証運転を行って市場の品質評価を確認することにしていた。 しかし、L-LDPEに対する需要が今年下期に入っても引き続き拡大、加えて10月に同プラントの定修を実施したこともあって同社の現在における同樹脂の在庫は適正規模を大きく割り込んでおり、計画通りに両品種の併産を実施するとL-LDPEの供給責任を果たしていけないことが明確になってきた。ついては、当面の市場の要求に応えていくため少なくとも向こう2ヶ月はL-LDPEの生産に専念していくことにしたわけだが、現在の引き合い状況から判断すると、品不足を完全に解消できるかどうか疑問だとしている。 |