2004年11月08日
中国のポリオレフィン価格 上昇にブレーキ
一部は逆に10月の成約価格を下回る傾向に
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:なし

 中国市場におけるポリオレフィン価格の上昇にブレーキがかかってきた。複数の大手商社によると、直近の契約価格の中で10月下旬のレベルを完全に上回っているのはHP-LDPEだけで、他の品種は極めて小幅の底上げにとどまっている。中には、話し合いが難航していて前月末を下回ることになりそうな品種も見られる。
 
 先週末までに11月分の契約が成立したHP-LDPEの平均価格は、CFRトン当たり1,450ドルで10月末に比べるとおよそ50ドルのアップとなっている。他の品種をさらに大きく上回るレベルに達している。これは、需要がフィルム向けを中心に引き続き拡大傾向をたどっているのに対して、アジア全体の供給力が頭打ちとなっていて需給逼迫感が一段と市場に広がってきたことによるもの。日本のHP-LDPEメ−カーが採算性の高いEVAの生産に精力を投入してきていることも少なからず作用していると見られる。
 
 しかし同じポリエチレンでもL-LDPEの価格は同1,160〜1,170ドルで、約20ドルの値上がりにとどまっている。需要家の多くがこれまでの短期間における高騰分を製品価格に転嫁できない状態にあるため、当用買いに徹するようになってきたことが要因とみられている。
 HDPEの場合は、先週末になってもまだ11月分の交渉が決着するにいたっていない。サプライヤーの多くが前月並みの同1,180ドルをオファーしているのに対して主力需要家のフィルムメーカー側がこれまでの高騰分の転嫁が困難だとして値下げを要求しているためだ。話し合いはかなり長引きそう。
 PPホモポリマーは同1,060〜1,080ドルで、これもL-LDPEと同様に10月末に比べると20ドル前後のアップにとどまっている。同樹脂の場合もやはり加工メーカーの多くが値上げに強く抵抗するようになってきたため、サプライヤー側も譲歩せざるを得なくなったようだ。
 各商社では、今後も中国向け価格はポリオレフィン全体に小幅の動きにとどまる公算が濃厚と判断している。