2004年11月08日
浙江省寧波市、2010年までに中国の「主要石化基地」に
大規模コンビナート、石油精製と一体で建設
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:三菱化学、三菱商事

【上海発=特約】 浙江省政府は2010年までに寧波市が中国の石化基地の中で最も重要なものの1つになるとみている。

寧波市には鎮海地区、北崙地区、大謝島の3つの石化基地がある(添付地図参照)。鎮海地区にはシノペック子会社の鎮海煉油化工(ZRCC)の石油精製基地がある。

 省政府では2010年までに寧波の原油精製能力を30百万トン/年にするとともに、エチレン合計2百万トン/年の新設の計画をたてている。

 現在、鎮海煉油化工の原油精製能力は16百万トン/年で、2006年央には20百万トンに拡大する。同社は最近、国家発展改革委員会から鎮海での80万トン・エチレン計画の承認を受けた。BTX 30万トン、PE30万トン、エチルベンゼン84万トンなどを建設する。原料ナフサは原油精製能力増で賄う。同社はエチレン計画に先行して、パラキシレン45万トン、PP 20万トンを既に生産している。(2004/10/18記事参照)

 また台湾プラスチックが先日、中国国務院に対してエチレンプラント建設の投資申請を行った。建設地は寧波市の北崙経済技術特区とみられ、同特区内にエチレン年産120万トン規模のナフサプラントを設ける。台プラグループでは北崙地区で台プラがPVC年産30万トンの工場がまもなく完工するほか、台湾化学繊維のABS工場(125千トン)が量産を開始している。将来的にはアクリル酸エステル、PP、PTAの各工場も生産を開始する予定。

 この他寧波市では煙台万華ポリウレタンのMDI計画や、三菱化学のPTA計画が進行している。煙台万華ポリウレタンは煙台万華合成革集団有限公司の子会社で、大謝島にMDI16万t 設備を完成させた。2006年には3倍増の24万tに増やす計画で将来は原料
から一貫生産を行う予定。

 三菱化学は中国における高純度テレフタル酸(PTA)事業計画を決定し、本年6月に、日本の投資会社・寧波PTA投資(三菱化学/伊藤忠/三菱商事)と中国中信集団(CITIC) の90%/10%の合弁会社 寧波三菱化学有限公司を設立した。314百万米ドルを投じて大謝島に60万トン/年の工場を建設する。2006年9月に生産開始の予定だ。

<参照>
・寧波・鎮海・大謝島地区の周辺地図
http://www.chem-t.com/fax/images/1108ningbo.jpg

・CNT記事(04//10/18)
中国政府、鎮海煉油の80万トン・エチレン計画を承認
http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.cgi?CODE=14728