2004年11月08日
昭和電工、微量化学物質分析用「高性能前処理材」を発売
環境汚染物質の濃縮時間を1/4に短縮
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:昭和電工

 昭和電工は8日、微量化学物質の分析で作業の大幅効率化を実現した、分析前処理用固相抽出カートリッジ「オートプレップ・シリーズ(アットシリーズ)」を開発したため、今月から販売開始すると発表した。

 環境保護や食品安全への関心が高まり、水や食品に残留する微量化学物質の分析件数が増加している。分析前処理とは、分析を行うさい、測定を妨害する成分を除去し、測定する微量成分を濃縮することで、分析には不可欠な作業。
 
 「オートプレップ・シリーズ(アットシリーズ)」は、この前処理に要する作業時間を従来品の1/4に短縮、効率化を可能にした。

 同製品は、数100ミクロン程度の多孔性充てん材を使用した固相抽出用のカートリッジで、使用時に溶媒で湿潤させたあと、分析対象となる微量化学物質を含む環境水をカートリッジに通して、充てん材内部の数10ナノメートルの細孔で捕捉する。従来品は、細孔内部の空気が環境水の通過を遮るため、効率よく使用できなかった。

 昭和電工では、京都大学大学院 中西和樹助教授が開発した「2元細孔構造」の概念を応用し、空気によるデッドスペースを最小限にした充てん材を開発した。

 本年4月に施行された改正水道法の「水質管理目標設定項目」である、69種類の農薬を使用して実際に試験したところ、従来の1/2〜1/4の時間で不要物質が除去され、目的物質が濃縮された。
 
 既存の充てん材の特性を維持したまま、捕捉時間を短縮し、かつ捕捉率アップが可能になった。特に大量のサンプル処理を行う場合に、大幅な効率化を図ることができるという。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/1108sdk.pdf