2004年11月09日 |
DICの中間決算、電材と工材の成長で大幅増益 |
小江社長、「“選択と集中”に“発展”を加えて成長を」と強調 |
【カテゴリー】:人事/決算 【関連企業・団体】:大日本インキ化学工業 |
大日本インキ化学工業(DIC)は9日、04年度中間連結決算の概要を発表した。売上げは前年同期1.6%増の4,894億円、営業利益は同19.5%増の219億円、経常利益は同62.5%増の207億円、当期純利益は同37.9%増の42億円--となった。有利子負債は51億円減って5,169億円となっている。 営業利益の19.5%増は、工業材料部門と電子情報材料部門の大幅な増収効果に負うところが大きい。工業材料部門の営業利益は、国内における高付加価値製品の拡販によって2.2倍となった。電子情報材料部門の営業利益は、光ディスク用接着剤や携帯電話用カラー液晶、さらにはPPSコンパウンド等の製品の拡販によって52.2%拡大した。主力の印刷材料部門も、コンピュータ直接刷版や特殊グラビヤインキ、オフセットインキ、有機顔料等が順調に伸びたため国内が14.6%の増益となり、海外を合わせたトータルでも4.8%増と着実な成長を遂げた。 経常利益の62.5%増は、営業利益の拡大に加えて為替差益と金融収支の改善が大きな効果を上げたためと説明している。 通期野見通しは、売上高が前期比1.6%増の9.900億円、営業利益が同9.5%増の480億円、経常利益が同27.3%増の400億円、当期純利益が同57.4%増の100億円--となっている。 発表の席上、小江紘司・同社社長は中期経営方針についても言及し、「創業100周年となる2年後以降は、これまでの“選択と集中”に“発展”を加えてよりグローバルな成長を実現したい」と、攻めの経営を目指したい意向を示した。 同社長の発言要旨は次の通り。 ○上期の業績は、電子情報材料が国内で順調な伸びを遂げたのに加えて新樹脂の開発による環境調和型インキの上市や記録材料ならびに各種インキのグローバルな育成策等が実を結んで増収・増益となった。 ○下期も、原燃料の高止まりが避けられないものの、コアのグラフィックアーツのグローバルな戦略的販売システムの確立やグループ全体による原料の共同購買、さらには各種材料の組み合わせによるトータルソルーションによって世界各国の有力ユーザーとのコンタクトを深めていくなどで前年を上回る業績を上げていきたい。 ○そして、創立100周年となる2年後以降の3年は、従来の“集中と選択”に“発展”を加えて、より強力な企業基盤を構築するようにしたい。ついては、中国を中心としたアジアの製造・販売拠点をもう一段強化することが大切と考えている。また、当社独自の事業部制をよりフレキシブルに活用して当社が得意とする中間製品の収益力を一層高めていくことも重要課題といえる。例えば、事業部間のシナジーを高めて世の中が求める高機能複合材料や環境関連製品をタイミングよく開発・上市していくといったことに大いに力を入れていきたい。 ○そのためには、全社員が進取の精神で自由な発想に基づいて前向きに行動するように持っていきたいと考えている。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/1109dic.TIF |