2004年11月09日
旭化成ケミ、中間決算と通期予想を発表
通期の実質営業利益は前期の39%増を見込む
【カテゴリー】:人事/決算
【関連企業・団体】:旭化成、旭化成ケミカルズ

 旭化成ケミカルズは9日、平成17年度3月期の中間連結決算と通期の業績予想を発表した。
 中間業績は、売上高が2,679億円で前年同期の22.5%増、営業利益が204億円で同189.2%増(ただし数理計算上の差異を除く実質営業利益は180億円で同85.3%増)、売上高営業利益率は7.6%(同6.7%)--となっている。
 
 売上高の増加には、SM(スチレンモノマー)の増設に伴う約200億円の売上げ増やAN(アクリロニトリル)の約70億円の販売増、シクロヘキサノールのおよそ20億円の売上げの拡大等が大きく寄与している。また、リチウムイオン2次電池用途の需要拡大に対応して設備能力を増強した微多孔膜「ハイポア」の販売量が増えたことや、限外ろ過膜・精密ろ過膜「マイクローザ」がエレクトロニクス用途向けに大きく伸びたこと、さらにはイオン交換膜の中国における販売増や、板状感光性樹脂の欧州での販売の拡大も少なからず全体の増収に貢献したという。
 一方の営業利益の増加の内訳は、販売数量の拡大が50億円、販売値差が155億円(うち為替差はマイナス47億円)、原燃料単価差がマイナス159億円、その他が37億円--となっている。
 設備投資は132億円(前年同期は134億円)、減価償却費は153億円(同133億円)であった。主な設備投資としては(1)MF紡糸・組み立ての一貫工場の新設(年2万本。03年5月完工)(2)韓国におけるMMA導光板設備の新設(年6,000トン。03年11月完工)(3)SM設備の更新(年32万トン。04年2月完工)(4)リチウムイオン2次電池向け微多孔膜「ハイポア」2成分膜の製造設備の増設(年1,200万平方メートル。04年12月完工)--が挙げられる。
 
 通期の予想は、売上高が5,520億円(前期は4,537億円)、営業利益が365億円(同165億円)実質営業利益が310億円(同223億円)、売上高営業利益率が6.6%(同3.6%)、実質売上高営業利益率が5.6%(同4.9%)--となっている。