2004年11月12日 |
NEC、発電所の副生石炭灰利用し「難燃性ポリカーボネート」開発 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:NEC |
NECは12日、火力発電所で副生されるフライアッシュ(石炭の飛灰)を利用して、製造エネルギーを20%以上削減した難燃性ポリカーボネート樹脂の開発に成功したと発表した。 今年度中にも電子機器外装材として実用化する予定。 フライアッシュには高い難燃効果があり、樹脂にした場合ハロゲン等の有害難燃剤を使用しなくてよい。同社では「脱ハロゲンでの安全対策と製造エネルギーの低減によって環境調和性を向上させるとともに、原料費の削減を可能にした」といっている。 フライアッシュは、火力発電所で副生される安価な素材として、セメント原料などに使用されてきたが、外装材などの部材用途には利用されてこなかった。 同社は、フライアッシュ表面の高い反応性に着目して研究を重ねた結果、ポリカーボネート樹脂に対して高度な難燃効果を持つことを発見した。この難燃効果は、フライアッシュがポリカーボネート樹脂と強く結合して、ポリカーボネート樹脂の耐熱分解性を向上させ、さらに、この樹脂の炭化を促進させたことによるものだ。 今回の開発では、フライアッシュの粒度と添加量の最適化や、高流動化剤などの添加剤を独自に配合処方することにより、フライアッシュを添加した際に生じるポリカーボネート樹脂の流動性や強度などの低下を抑制し、デスクトップ型電子機器に使用されている繊維強化難燃性ポリカーボネート樹脂並みの実用特性を実現した。 また、従来のハロゲン等の有害難燃剤を使用しないことに加え、既存の原料樹脂の削減により製造エネルギーを低減化することによって、難燃性ポリカーボネート樹脂の高度な環境調和性とともに原料費の低減化も同時に実現し、環境適合素材の外装材への普及拡大に大きく寄与する。同社は、この新素材を2005年度内に電子機器用外装材として実用化する予定。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/1112nec.pdf |