2004年11月15日 |
トクヤマ・中原社長会見「増収増益 新第一塩ビが牽引」 |
中期決算説明「特殊品事業好調、さらに強化へ」 |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:新第一塩ビ、トクヤマ |
トクヤマの中原茂明会長は12日開いた中間期決算説明会で「内容的には、ほぼ計画通りの増収増益を実現した。当期純利益(22億円)は半期過去最高で、長年不振だった新第一塩ビの流れが変わったのが大きい。多結晶シリコンなど特殊品も好調だった」と語った。 連結売上高は1,118億円で35億円(3.2%)の増加。新第一塩ビの価格是正による増収が貢献した。単体でもか性ソーダ、PO、多結晶シリコンの販売が好調だった。営業利益は70億円で9億円(15.8%)増加した。塩ビなど化学品と多結晶シリコン、高純度薬品、現像液などの特殊品部門が牽引した。セメント建材部門は、国内需要の減少を輸出の増大でカバーしたが増収減益だった。 成長分野に向けて設備投資も行ってきた。今年7月、30億円をかけ徳山製造所の乾式シリカ年産15,000トンの20,000トンへの増強工事に着手した。完成は05年3月の予定。完成後はアジア最大の乾式シリカメーカーとなる。同製造所では工費10億円で多結晶シリコン(ジーメンス法)の増強も進めており、近く4,800トンから5,200トンへの能力アップが完了する。太陽電池用VLD法実証プラントは資金30億円で05年1月に着工、12月完成の予定だ。 一方、下期の景気動向については「国内景気は堅調に推移してきたが、そろそろピークだという見方が出ている。私もそんな気がする。IT関連などに不透明感が出てきた」と語った。今年度の通期見通しについても「原料価格の高騰に価格転嫁が追いついていない製品がまだいくつかある。価格転嫁の成否がポイントになる」との厳しい見方を示した。 2002年度にスタートした3ヵ年計画は、今年度が最終年度となる。近く05年度からの新3ヵ年計画策定作業に入るが、中原社長は「現在実施中の3カ年計画は、経営環境が深刻な中で策定したこともあり、収益構造の改善が柱だった。これまでの3年間を総括すると、売上高は目標をクリアできるが、営業利益など利益目標は未達となりる。しかし事業構造改革や、財務体質強化などには一定の成果があった。次の3ヵ年計画は、差別化や国際競争力強化など成長戦略に重点を置きたい」と“成長戦略”への取り組みに意欲を見せた。 |