2004年11月16日
中国の塩ビメーカーが日・韓等にVCMの値下げを要求
日本側各社は強く拒否、交渉は長期化の様相
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:旭硝子、東ソー

 東ソーや旭硝子などわが国のVCM(塩ビモノマー)メーカーは先週初頭から中国の塩ビ樹脂メーカーや主要トレーダーとの間でVCMの11月の輸出価格交渉を進めているが、中国側が値下げを強く求めてきているため折り合いが付かず、膠着状態に陥っている。中国側は、韓国や台湾のVCMメーカーに対しても大幅値下げを要求しており、それに抵抗する韓・台両国との話し合いが同じく暗礁に乗り上げている。
 
 関係筋によると、わが国のVCMメーカーは11月の輸出価格を10月と同じレベルのトン当たりCFR840〜850ドルに据え置くことにして今回の交渉に臨んだ。それに対して中国側は、同800ドルを大きく下回る額を提示して日本側に受け入れを強く迫っているという。
 中国側は過去3ヶ月連続で日・韓・台各国によるVCMの値上げ要求を受け入れてきたが、今回は、PVC(塩ビポリマー)の需要がクリスマス商品の生産活動の終了に伴って縮小しつつあることを理由に、契約数量の削減と価格の引き下げを求めてきたもの。
 
 しかし日本側各社は、採算維持のためには大幅な値下げ要求を拒否するほかないとして中国側に譲歩を迫っている。特に最大手の東ソーは、9月に台風の影響でVCMの操短を余儀なくされたことも響いていまだに在庫不足に頭を痛めている状況にあるため引き続き強腰で交渉に当たっていきたいとしている。こうした点から言って、今回の価格交渉はかなり長期化するものと見られる。