2004年11月17日
BPAのアジアのスポット価格が続伸
中国向けの直近のCFR価格は2,200ドルに
【カテゴリー】:市況
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 BPA(ビスフェノールA)のアジアにおけるスポット価格が一段と上昇してきた。最大消費国である中国向けの直近のCFR価格はトン当たり2,200ドルとなっている。10月末の平均に比べると50ドル高い。9月末に対比すると250ドルのアップとなる。

 10〜12月期のコントラクト価格は7〜9月期分を200ドル上回って1,900〜2,000ドルに達しているが、最近のスポット価格はそれをさらに上回るレベルまで上昇しているわけ。最近は、多くの化成品や合成樹脂の中国向け価格の上昇が頭打ちの状態になりつつあるだけに、BPAの続騰は注目される。

 中国向けの価格の上昇の背景は、エポキシ樹脂向けの需要が急増しているのに対して、日本をはじめとした世界各国のBPAメーカーの供給力が追いつかず品不足状態が一段と深刻になってきている点にある。一方、世界全体の需給が逼迫してきたもう一つの要因は、エポキシ樹脂向けに加えてポリカーボネート向けの需要も急拡大してきたことにある。日本国内でもエポキシ向けとポリカーボネート向けの両方の需要が従来の予想を大きく上回る勢いで伸びており、BPA各社とも注文に応じきれない状態が続いている。