2001年10月25日
東ソー、富山工場の事業体制を大幅に改革
合成ゼオライト等は分社化、有機中間体は南陽に集約
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:東ソー

 東ソーは25日、同社全体の事業構造改革の一環として同社・富山工場の事業体制を大幅に改めることになったと発表した。
  
 その一つは、合成ゼオライト(商品名・ゼオラム)と体外診断薬(AIA試薬)の両製品の生産部門の分社化であり、そしてもうひとつは、有機中間体と金属ソーダ事業の生産の中止である。
 
 分社化する二つの製品のうち、合成ゼオライトの生産は同社の全額出資会社である「有限会社東ソー・ゼオラム」が、また体外診断薬の生産は同じく100%出資会社の「有限会社東ソー・エイアイエイ」がそれぞれ引き継いでいく。両社とも11月1日から活動を開始する。ただし、営業活動はいずれの場合も従来通りに東ソーが実施していく。
 ゼオラムの生産部門の分社化は、コスト構造を強化し、合わせて、市場ニーズに素早く対応できる生産体制を構築するのが狙い。また、AIAの生産の分社化は、コスト競争力を高めると同時に、東ソーの全額出資による診断装置メーカー「東ソー・ハイテック」との連携を一段と緊密にしてAIA全体の事業力を強化することを目的としたもの。
 
 一方、同工場での生産を打ち切る製品の一つの有機中間体については、南陽事業所内の全額出資会社「東ソー有機化学」に生産を移して集約化による効率の向上を図っていくことにしている。また、金属ソーダとその誘導品の場合は、将来性が見出せないとの判断に沿って撤退することに決めた。
 
 これに伴い富山工場は、「東ソー・ゼオラム」「東ソー・エイアイエイ」の両社と、セラミック焼結体などの製造会社「東ソー・セラミックス」のスペシャリティー事業3社体制で再出発することになる。