2004年11月22日
L-LDPEの国内出荷、前年同月割れが続く
10月は8%減、3ヶ月連続で前年を下回る
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 直鎖状低密度ポリエチレン(L-LDPE)の国内向け出荷の前年同月割れが続いている。10月の国内向け出荷数量は約6万9,500トンで前年同月を8%下回った。9月は6%減、8月は1%減であったので、同樹脂の国内向けの前年割れはこれで3ヶ月連続となった。L-LDPEの国内向け出荷が数ヶ月にわたって前年を下回るのは極めてまれなケースとあって注目される。
 
 10月が前年を下回ったのは、全出荷量の65%を占める一般フィルム用が8%減となったため。同品種の今年上期の出荷は5月の対前年同月比3%減を除くとおおむね順調な伸びを遂げ、上期の総出荷量は前年同期比6%増となった。しかし下期に入ってからは、7月が4%増にペースダウン、そして8月が1%増にとどまり、次いで9月は遂にマイナス成長に転じて6%減となっていた。10月はさらに大幅な落ち込みとなったわけで、同樹脂関係者も、どうして下期に入ってからこのような変化が生じてきたかがわからないと首をひねっている。
 
 一方の輸出量は約6,400トンで38%減となっている。9月の24%減に続いての大幅な落ち込みである。2ヶ月連続してのこれだけの幅の減少も、同樹脂の場合はきわめてめずらしいケース。 この結果の総出荷量は約7万6,000トンで、前年同月を12%下回った。9月の8%減に続いての前年割れだ。もっとも、下期に入ってからの前年比は7月も8月も前年の横並びにとどまっていた。上期トータルの5%増とは明らかに異なる様相を呈しつつあるといえる。
 
 関係者の中には、要因の一つとして、同樹脂メーカーの多くが採算性に問題のある同樹脂の出荷を制限していることを挙げる向きがある。しかし、一方の生産量は8月の3%減を除くと毎月前年を上回っている。このため、10月末在庫は前年より7%増えて2.4ヶ月分に達している。出荷を絞っているならどうして生産を縮小しないのかという疑問が残る。
 片や、輸入は8月が37%増、9月が14%増と連続して高い伸びを遂げている。今月末に予定されている10月の輸入通関統計が注目される。