2004年11月22日 |
環境省、30日にエンドクリン対応方針を取りまとめ |
「SPEED'98」を改革、物質のリストアップはせず |
【カテゴリー】:環境/安全 【関連企業・団体】:環境省 |
環境省は30日に「“環境ホルモン戦略計画SPEED'98”改訂ワーキンググループ」の第10回会合を開き、「化学物質の内分泌かく乱作用に関する環境省の今後の対応方針について」と題する“SPEED'98改訂版”の事務局案を示して審議を求める。 この日に事務局が提示するのは改訂原案の第3次案。同省ではこの日の審議で各委員の同意が得られればこれを同ワーキンググループの最終案として同WGの上部組織である「内分泌攪乱化学物質問題検討会」に報告、そして、同検討会で基本的合意が得られた段階でパブリックコメントの募集・検討を実施し、その結果を同検討会に諮って同案についての最終承認を得るようにしたい考え。 環境省が同WGや同検討会の審議を経て“SPEED'98”の改訂版を取りまとめることにしたのは、この数年の間に、化学物質と内分泌かく乱作用の係わりに関する新しい科学的知見が世界の主要専門機関や専門家の間で多数見い出されるようになってきたことから、これまで同省がエンドクリン施策の指針としてきた“SPEED'98”の見直しが必要と判断したため。 30日の会合で示される事務局の第3次案では、先ずは改訂版のタイトルを「化学物質の内分泌かく乱作用に関する環境省の今後の対応方針について」と改めることとしている。そして必要な対応として(1)野生生物・生態系の観察(2)環境中濃度の実態把握及び暴露の測定(3)基盤的研究の推進(4)影響評価のための技術開発(5)リスク評価(6)リスク管理(7)情報提供とリスクコミュニケーション等の推進--の7項目が必要と主張している。 一方、“一般市民にブラックリストと受け取られて大きな混乱を招く要因になった”と化学関係業界の多くがこれまで強く批判してきた特定の化学物質(当初67物質、後に65物質に縮小)を内分泌攪乱作用が疑われる物質としてリストアップする方法は取らないこととしている。 |