2004年11月23日 |
三菱化学など3社の社長が連携強化で共同会見 |
世界有数の競争力持つコンビナートを目指すと強調 |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:鹿島石油、ジャパンエナジー、三菱化学 |
冨澤龍一・三菱化学社長、高萩光紀・ジャパンエナジー社長、瀬野幸一・鹿島石油社長の3氏は22日夕、茨城県神栖町の鹿島セントラルホテルで共同記者会見を開き、同日午前中に発表した3社の鹿島地区における包括的連携の強化計画の背景と今後の展開について説明した。 この中で3氏は、連携の強化に踏み切るに至った背景について、「これからの厳しい国際生存競争を三菱化学と鹿島石油がともに勝ち抜いていくには石油精製と石油化学の枠を超えて原料から主要製品までの全てを対象とした鹿島地区全体の抜本的体質強化策を実施していくことが不可欠と判断したから」と説明、そして今後の展開については「バーチャル・ワン(1)カンパニーとして、原料の適正化とオレフィンやアロマ製品ならびに環境配慮製品等の生産の最適化に取組み、世界有数の競争力を持つコンビナートに仕上げたい」と3社一体となって効率的に狙いを実現していきたい考えを強調した。また、会見の席上冨澤社長は、鹿島にとどまらず水島地区でも同じ地域の企業との間で同様に連携の強化を図って地域全体の競争力の強化を目指していきたい考えを表明した。 3首脳の発言要旨は以下の通り。 《冨澤龍一・三菱化学社長》 三菱化学と鹿島石油は1970年の鹿島事業所の操業開始以降、常に密接に連携しながら相互発展に取り組んできた。しかし最近は、中国や中東で大型石油化学装置が相次いで新・増設され、それに伴い国際生存競争が一段と激しくなってきている。 そうした中を両社が勝ち抜いていくには鹿島地区の競争力の一層の強化が急務であり、ついては石油化学と石油精製の壁を取り払って3社一体で原料から製品までの一貫体制の強化を図っていくことが重要との点で3社の間の意見が一致した。具体策をできるだけ早く煮詰めて、1日も早く世界有数の競争力を持つコンビナートにしたい。水島地区でも同様に関係各社が一体となって国際競争力の強化に取り組んでいくようにしたい。 《高萩光紀・ジャパンエナジー社長》 ジャパンエナジーと鹿島石油は文字通りの一体運営を進め、そして三菱化学とも極めて密接に連携してお互いの競争力の強化を図ってきた。しかし、石油精製業界でも国際間の生存競争が日増しに激しくなっており、また環境関連投資も大きく膨らんできているためコスト競争力の一層の強化と事業構造の変革が急務となっている。 こうした中では、3社が協力関係を一段と深め、バーチャル・ワンカンパニーとして全ての製品の生産の効率向上と未利用留分の有効利用を図っていくことが極めて重要となる。詳細はこれから3社で検討していくが、鹿島地区全体を世界最強のコンビナートにして、製造業全体からモデルとして注目されるように持っていきたい。 《瀬野幸一・鹿島石油社長》 現在の石油産業は、重質油の得率低下など需要構造の変化、過剰設備による稼働率の低下、環境対応設備投資の膨張、輸入関税の見直し--など多くの問題を抱えている。こうした中で生き残っていくには、コンビナート内企業間の連携の強化によってコストのさらなる削減を図っていくことが不可欠だ。ついては、鹿島地区では、三菱化学との間で原料の効率的な調達生産を目的とした「原料適正化」と、環境配慮型製品やオレフィンならびにアロマ製品等のより効率的な生産を目指す「最適生産」を当面の目標に掲げて連携強化の実を上げていきたい。バーチャル・ワンカンパニー、言葉を換えれば生産活動の実質的な統合と言える活動を展開していくべきと考えている。 |