2001年10月24日
PVCの国内向け出荷、3Q計は前年比88.5%に
一般景気の後退が影響、床材や電線向けも縮小
【カテゴリー】:実績/統計
【関連企業・団体】:東ソー、塩ビ工業・環境協会

 塩ビ工業・環境協会が24日の定例記者会見で明らかにしたところによると、塩ビ樹脂(PVC)の9月の出荷数量は国内向けが前年同月を大幅に下回り、一方の輸出が8ヵ月ぶりに前年同月を上回った(4.7%増)ものの、トータルでは引き続き前年割れとなった。
 
 国内向けは、主力の硬質用が前年同月比85.8%、軟質用が同84.0%とともに引き続き不調であったのに加え、これまで縮小幅がさほど大きくなかった電線・その他用も一気に同90%を割り込んで87.7%になった。出荷トータルの前年同月比は90.7%となっている。この日に会見に臨んだ首脳の一人の武田正利・同協会副会長(鐘淵化学工業社長)は「電線や床材まで需要が縮小してきている点が軽視できないところで、一般景気の後退がPVC業界にも強く影響してきている様子がこうした点にもはっきり表れている」と、国内における事態が一段と深刻になってきている点を指摘した。
 
 この結果、7~9月期の出荷は、国内向けが前年同期比88.5%、輸出が同91.7%、合計が同89.5%となった。1・四半期の国内向け出荷量の対前年同期比が90%を割り込んだのは今回が初めて。
 
 ただし、生産も需要不振を反映して低水準で推移している。「あくまでも需要に合わせた生産に徹するパターンが各社それぞれの間に定着してきたことによるもの」(田代圓同協会会長・東ソー会長)と言ってよいようだ。このため、9月末在庫は前年同月の89.8%にとどまっている。


2001年/年度塩ビ樹脂生産出荷実績(表)
2001年/年度塩化ビニルモノマー生産・消費・在庫実績(表)
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