2004年11月24日
PVCの対中輸出価格、12月分は若干の引き下げに
例年の不需要期入りで中国側が値下げを強く要求
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:大洋塩ビ

 塩ビポリマー(PVC)の対中国向け12月輸出価格が若干引き下げられる公算が濃厚となってきた。
 
 大洋塩ビや信越化学などわが国のPVCメーカーは、先週週明けから中国の需要家各社との間で始まった12月分の価格交渉の場において、11月と同じレベルのトン当たりCFR980〜990ドルに据え置きたいと主張してきた。しかし中国の樹脂加工企業が数10ドルの引き下げを強く求めてきているため、あるていど譲歩して妥協せざるを得なくなってきている。すでに一部のPVCメーカーは同970〜980ドルに抑えることで同意を取り付けて交渉を終結している。他のPVCメーカーもほぼ同程度の額で折り合いをつけることになりそう。

 中国側がこれまでになく強く値下げを申し入れてきた背景は、(1)過去数ヶ月の値上げで多くの加工企業が採算を大きく圧迫されていること(2)今年12月と翌年1月が中国における例年の不需要期に当たるので操業率がかなり低下する見通しにあること--の2点にあると見られている。12月の価格の引き下げが最終決定すると、PVCでは4ヶ月振りの対中輸出価格の値下げとなる。
 これに並行して進められているVCM(塩ビモノマー)の11月分の価格交渉でも、日本側各社は譲歩を迫られそう。