2004年11月29日 |
東セロのPOフィルムの第2次値上げ交渉が決着 |
1連300円上げでコンバータ各社の同意得る |
【カテゴリー】:市況 【関連企業・団体】:東セロ |
大手ポリオレフィンフィルムメーカーの東セロは29日、コンバータ各社との間でかねてから進めていた同フィルム各種の第2次値上げ交渉が全面決着したことを明らかにした。 上げ幅は、PPフィルム、PEフィルム、蒸着フィルムともにおおむね1連300円(1CC3銭)で、同社の希望額がほぼそのまま受け入れられたという。率にして10%弱の値上げとなる。実施時期は、一部のコンバーター向けが12月1日からとなるものの、ほとんどは11月22日出荷分から。 これで同社は、今年春と今回の2度にわたって計600円(同6銭)の価格修正を実現したことになる。ポリプロピレンやポリエチレン等原料の今年3度にわたる値上げ分と燃料ならびに物流費等の膨張分をほぼ製品価格に転嫁できた模様。ただし、最近になってポリオレフィンメーカーの中で第4次値上げを打ち出すところが出てきていることに対しては、「まだ当社には話がきていないが、現在の当社の収支バランスから言って拒否するほかない」(横山弘・同社取締役包装フィルム営業部長)とコメントしている。 今回の第2次価格交渉の決着で注目されるのは、同社が値上げを表明していらいわずか1ヶ月半という異例のスピードで“満額”決着となった点だ。この背景について同社では、「全品種にわたって需要が夏場以降急速に拡大したことと、マシントラブルや台風の影響等によってフィルム業界全体の供給能力が低下したことで需給バランスが一気に逼迫したことに尽きる」(同取締役)と説明する。こうした需給の急変によって現在の同社の在庫規模は、通常の1ヶ月分を大きく下回る0.4〜0.5ヶ月分に縮小しているとのこと。このため現在の受注分を納入できるのは、3週間後か1ヶ月後になるという。同社では、ポリオレフィンフィルム全体の需要は食品包装用を中心に引き続き拡大していくと予想している。したがって、供給サイドの操業トラブルが解消されてもタイトバランスはなお半年ていど続くと判断している。 |