2004年12月02日
アジアのポリオレフィン価格、軟化傾向
中国の加工企業の稼働率低下が影響
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:なし

 大手商社各社によると、中国を中心としたアジア地域におけるポリオレフィンの12月引渡し分の価格は、その多くが前月を下回ることが確実の見通しとなってきた。
 
 現在は、シンガポール、韓国、台湾、日本などアジア地域の主要ポリオレフィンメーカーやトレーダーが中国やアセアン諸国の需要家筋と12月積みの価格交渉を進めているところ。各国とも、11月中旬以降の引き合いが低調でしかも大幅な値下げを要求するユーザーが増えてきているため、予め11月分を若干下回る価格を提示して交渉に臨んでいる。
 例えば、LDPEではCFRトン1420ドル、L-LDPEとHDPEでは1120ドル、PPホモポリマーでは1150ドル--といったところが直近のオファー価格の平均となっている。PPはほぼ前月並みだが、ポリエチレンの場合は30〜40ドルの値下げとなる。
 サプライヤー各国がこれまでになく弱気になっていると言える。これは、中国の加工企業の多くがこれまでの各樹脂の連続的な値上げによって収支バランスを維持できなくなってきたため樹脂の購入を手控えて操短に入っている点を軽視できなくなってきたからと見られる。 もっとも、わが国の大手商社は、需要家の樹脂在庫は決して多くないので買い控え期間はさほど長くないと判断している。