2004年12月06日 |
SMK、印刷法による高分子有機ELディスプレイ製造で成果 |
高速、高精密、大画面化を急ぐ |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:NEDO |
印刷法による薄膜の成形と多層化に取り組んでいるSMK(東京都品川区、Tel:03-3785-1395)は、このほど東京ビックサイトで開かれた新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の成果展示会に試作品を出品し、研究の進行状況を明らかにした。 研究成果の概要は、透明電極が形成されているガラス基板上に、高分子ホール輸送層をスピンコート成膜、その上に高分子薄膜を印刷法によって積層し、さらに対向電極を形成して有機ELディスプレイとするもの。 開発した有機EL薄膜形成技術はオフセット印刷法を応用しており、インクジェット法などの他のウェット成膜法に比べ、高速で広い面積に成膜できる。高精密化や設備メンテナンスが容易などのメリットがあるとしている。 現在はデバイスのさらなる輝度、発光効率、信頼性を高めるため、EL層の膜厚の適正化と均一化の改善に取り組むとともに、よりすぐれたEL材料の開発につとめているとしている。 高分子薄膜の形成技術は、まずキャリア(ブランケット)を巻いたロールにインキ化材料を塗布し、不要になった部分を版に転写して除去する。そして残ったパターンを基板に転写する。 環境負荷が大きい真空装置を使わないのが特徴で、消費電力の少ない高品質の発光デバイスを開発するのがねらい。高速化、安定化、大面積化することでトータルの製造コストを抑えられるとしている。同社ではこの技術を来年中にも確立、工業化を進めたい意向である。 |