2004年12月06日 |
東ソー会長・社長が会見「ハイブリッドカンパニー」強調 |
「事業規模の拡大と収益力の強化」目ざす |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:東ソー |
東ソーの田代圓会長兼CEOと土屋隆社長は3日、定例記者会見し、東ソーならびに同社グループ全体の経営の現状と当面の課題について語った。 この中で田代会長は、グループの現状について「重要課題に掲げてきた事業規模の拡大と収益力の強化がいずれも狙い通りに進んでいる。今年度の業績は売上げ面でも利益面でも史上最高の規模になる見通しだ」と語った。また「これも、コモディティと機能製品をバランスよく拡充することができ、いわゆるハイブリッドカンパニーとしての成長基盤を構築できてきたからだ」と、企業体質の改革が順調に進展している点を強調した。 また土屋社長は、東ソー単体の現状について「豊かな収益力を持つ企業群、全社員が能力を出し切っている企業群、環境に適応しつねに進化する企業群の3っが当社の目指す企業イメージだが、いずれも順調に進んでいる」と述べた。とくに機能製品部門が大きく成長しているとし「営業利益の35%を計上。世界のトップシェアを持っているものも少なくない」と、さらなる“進化”に意欲をみせた。 <両氏の発言要旨> ○ 最近の経営環境は国際的に大きく変化してきている。中国の需要の伸びによるところがきわめて大きい。たとえば、PVCの今年の総需要量は700万トンに達し米国の670万トンを追い抜く見通しだ。5年後には1000万トンの規模になると見られる。日本の6〜7倍となる。苛性ソーダの需要はすでに1000万トン規模で、日本の3倍近くにもなっている。また、中国だけでなくタイ、ベトナム、インドなど経済成長も目覚しい。こうしたことによって日本の景況も全体に好転してきている。しかしその一方、化学工業の場合は原料不足が世界全体で顕在化し、あらゆる製品の需給がタイト化し価格が高騰するという厳しい事態にも見舞われている。 ○ こうした中で東ソーグループは、重要課題として掲げてきた事業規模の拡大と収益力強化を順調に実現しつつある。04年度の連結売上高は前年度を20%、経営利益は90%それぞれ上回り、当期利益は3.5倍に達する見通しだ。課題のひとつである価格修正が順調に進展してきたことや、ビニルイソシアネート・チェーンの拡充がほぼ狙い通り進んできていることに加え、かねて育成に力を入れてきた機能製品が世界の主要市場で予想以上の伸びを遂げてきたことが大きい。 ○ しかし、現在の好業績が短期で終わってはならない。安定的に高い収益を確保していける体質の確立が極めて重要な課題だ。ついては、ビニルイソシアネート・チェーンに続く第2第3のコア事業を早急に育成しなければならない。さいわい、石英ガラス、2酸化マンガン、科学計測機器と診断薬、ジルコニアなど当社グループ特有の機能製品が各地で人気を得ているので、これらの多くを世界の市場で大きく育てていきたい。 |