2004年12月07日 |
三菱化学の冨澤社長、「中計-Phase2」の概要を発表 |
“選択と集中の徹底による革新・成長”を強調 |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:三菱ウェルファーマ、三菱化学 |
三菱化学の冨澤龍一社長は7日、同社グループの中期(05年4月〜08年3月)経営計画の後半の3年を対象期間とする「革新-Phase2計画」の概要と、新たに制定した「三菱化学グループ理念」の内容を説明した。 同社長は、はじめに03年4月〜05年3月を実施期間とする「革新-Phase1」の見通しについて「順調に進展しており、これによって安定的に収益を維持していける基盤ができあがった」と、具体的な数字を挙げながら予想以上の成果が上がっている実情を詳しく紹介、次いで「Phase2」の内容の説明に入った。 「Phase2」については、「柱である石化、機能商品、ヘルスケアの3分野それぞれに選択と集中を徹底することで革新し成長し続けるようにしていくのが基本コンセプト」と述べ、続いて「ついては、新商品/新プロセスの開発、新ビジネスモデルの確立、グローバルな新市場展開--によってグループ全体の持続的な収益の向上を実現していくようにしたい」と強調した。新商品の開発に当たっては、機能商品部門の場合で現在23%の構成比率となっている新商品化率を07年度には35%に引き上げる考えを示した。また石化部門に関しては、「誘導品分野の拡充と鹿島ならびに水島の強化とで成長を続けるアジア市場に積極的に対応して持続的収益の向上を図っていきたい」と語った。この中では「特に、誘導品事業の充実強化に力をいれていきたい」と力説した点が注目される。 一方、2007年度における数値目標については「2010年度の姿をイメージして、営業利益1,400億円以上、ROA(税前利益ベース)5.5%以上、D/E Ratio1.5以下--を目標とする。売上高としては2兆3,500億円を目指す」と説明した。07年度の為替は1ドル=105円を、またナフサ価格はキロリットル2万6,000円を想定しているという。 同社長が説明した「Phase2」の概要は以下の通り。 ▽「Phase2」の位置づけ。 「事業ポートフォリオ改革(成長させる事業の選別と重点的資源投入)」と「財務体質改善」の2点が柱。 ▽基本コンセルト。 石化、機能商品、ヘルスケアの3分野を柱にそれぞれの分野で選択と集中を一層徹底して革新し成長し続けていく。 ▽各分野の成長の方向。 石化分野=成長を続けるアジア市場に対応して積極展開する。 機能商品分野=新商品化を加速し、グループの新陳代謝を牽引する。 ヘルスケア分野=国内の医療環境変化に対応して、医薬事業の国際展開と新たな医療事業展開を図る。 ▽基本方針。 (1)成長戦略の遂行。 ○成長対象事業の選別と重点的な資源投入 ○新商品化、新プロセス化、新ビジネスモデル化の推進 ○将来テーマの重点化と事業との連携強化を前提としたR&TD (2)経営基盤の強化。 ○財務体質改善 ○国内主要生産拠点の戦略的再編 ○生産革新の進化 ○人材確保・育成の強化 (3)グループ総合力の強化 ○グループ経営の深化 ○CSR活動の強化 ▽セグメント別営業利益目標。(カッコ内は04年度見込み) 石化=380億円以上(450億円。ただし、受払差+120億円を含む) 機能化学=420億円以上(370億円。同30億円を含む) 機能材料=250億円以上(210億円) ヘルスケア=350億円以上(270億円) サービス=▲110億円(▲130億円) 合計=1,400億円以上(1,280億円) ▽石化セグメントの基本方針。 ○成長するアジア市場で当社の強みを生かした展開 ○PTA、PP、PHチェーン、1,4-BG/PTMG--を集中事業とする ▽機能化学セグメントの基本方針。 ○2けたの利益率の確保 ○全てのBUが収益において10億円プレーヤーとなること ○固体照明、デイスプレー、電池機材、ナノカーボン--等の新規事業の育成 ▽ヘルスケアセグメントの基本方針。 ○三菱ウェルファーマを早期に国際創薬企業に育てること ○国際創薬企業への移行を促進するためアライアンスを志向 ○変化する医療ニーズへの対応 ▽設備投資・投融資計画(05〜07年度累計)。 石化=1,500億円 機能化学=750億円 機能材料=500億円 ヘルスケア=400億円 サービス・コーポレート=450億円 合計=3,600億円。(Phase1比20%増。集中・育成事業への投資g亜全体の3分の2) ▽海外展開。 海外拠点営業利益を04年度の構成比16%から07年度に20%に引き上げる。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/1207mitsubishi.pdf |