2004年12月08日
三井化学のBPAの第4次値上げ交渉が決着
11月出荷分からキロ20円の引き上げへ
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は8日、かねてBPA(ビスフェノールA)の需要家各社との間で進めていたBPAの第4次値上げ交渉がほぼ同社の希望通りの額で決着したと発表した。これによって同社は、11月出荷分から全ての需要家を対象にキログラム当たり20円引き上げる。
 
 この結果、BPAの価格は今年4月以降4回合計で同83円の修正が実現することになる。ポリカーボネート(PC)やエポキシ樹脂(EX)メーカーなど需要家各社は、一連の値上げが原料価格の続騰を背景としたものであり、しかも需給バランスがこれまでになくタイトとなってきたことからほぼ要求通り受け入れざるを得なかったとしている。
 
 BPAのアジア相場は、国内向け以上に上昇している。直近のPC向けはトン当たり2,000ドルで、今年の第1・四半期の平均に比較すると850ドル高となっている。EX向けは2,100ドルで1,000ドルアップとなっている。需要が全世界的にPC向けとEX向けを中心に急拡大しているのに対して、供給能力が従来と同じ規模にとどまっていて完全な品不足状態が続いていることが要因。中でも大きいのは中国のEX向けの需要の急増振りで、今年の伸び率は40%に達すると見られている。
 
 同社では、来年もしばらくはタイトバランスのまま推移すると予想している。需要家の間でも同様の見方が多く、このためPCメーカーやEXメーカーはそれぞれの製品の第4次修正に必死で取り組む構えにある。