2004年12月09日
三井化学、エポキシ樹脂の4次値上げを表明
12月出荷分から40円引き上げへ
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は、エポキシ樹脂の第4次値上げを実施することにして需要家各社に対し説明と説得を開始した。
 上げ幅はキログラム40円。率にすると約15%となる。12月出荷分から実施する計画。値上げの目的としては、原料ビスフェノール-A(BPA)とエピクロルヒドリン(ECH)の高騰による採算悪化の是正と、内外価格差の改善、それと極度の需給逼迫が続く中での安定供給体制の維持--の計3点を挙げている。
 
 同社は今年7月、9月、11月の3度にわたって同樹脂の値上げを実施してきた。その結果、合計同65円の底上げを実現したものの、なおBPAとECHの価格上昇分を転嫁しきれないでいるため収益を確保できない状態が続いているという。
 一方、アジア市況は、最大消費国である中国の需要が前年を40%前後上回るペースで急拡大していて域内全体の需給が極端に逼迫しているため急テンポで改善が進んでいる。中国向けの直近のCFR価格はトン当たり2,700ドルで、今年1月に比べると1,000ドルもの上昇となっている。上げ幅の面でも、また現時点の価格の面でも日本国内を大きく上回っているわけで、このため最近の同樹脂メーカーの間では、採算を確保できる輸出にドライブをかけるところが増えつつある。
 また日本国内の需要も、建築・土木向け、電子・電気機器向け、接着剤向け等に前年を10%内外上回る勢いで伸びており、このため需給バランスはかつてない逼迫状態に陥っている。
 同社では、こうした中で安定供給を続けていくには40円の値上げの実現が不可欠なので是非早期決着を図りたいとしている。