2001年10月23日
呉羽化学の「クレメジン」好調、今年の売り上げ56%増103億円に
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:クレハ、三共

 呉羽化学工業は高純度の多孔質活性炭をベースとした慢性腎不全治療薬「クレメジン」を三共を通じて国内販売しているが、カプセル剤を“細粒剤”化したこともあって売り上げが伸び、2001年の売上高は前年比56%増の103億円に達する見通しである。

 「クレメジン」は、多孔質炭素を使った経口吸着剤で、消化管で分泌されたり腸内管で産出される尿毒症毒素を吸着して便とともに排泄する物理的作用がある。1991年世界で初めて開発した。

 三共とは8月に、日本を除く全世界での独占的販売権を予約する契約に調印するとともに、米国での承認を取得しようと、両社共同でFDAにプレミーティングを行うなど準備中だ。

 一方、国内でも尿毒症の症状改善や透析導入を遅らせる効果があるなどから販売動向が注目されてきたが、2000年7月、それまでのカプセル剤を細粒化剤として新発売したところ売り上げが急増したという。

 これまでの売上高は1998年39億円、99年41億円だったが2000年66億円、2001年には103億円と、100億円の大台突破は確実になったという。