2004年12月13日
三菱化学、カプロラクタム外販事業から撤退、設備も1系列停止
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三菱化学

 三菱化学は13日、カプロラクタムの外販事業から05年3月末に撤退し、生産能力も縮小すると発表した。今後は同社及びグループ会社が製造しているナイロン樹脂向けの原料供給に特化・集中する。
 
 黒崎事業所(所在地:北九州市八幡西区)のカプロラクタムプラント2系列(年産能力:110千トン)のうち、1系列同50千トンは2005年4月から稼働率を縮小させ、同年9月末に製造停止する。

 同社は、子会社の三菱エンジニアリングにナイロン樹脂を供給しているほか、台湾の現地法人・太洋ナイロンにカプロラクタムを供給。残りは外販事業として国内、海外のナイロンメーカーに販売してきた。
 
 しかし(1)このところの原料価格の高騰(2)アジア地区ではナイロン製造拠点の中国へのシフト化に伴う市場構造変化などなどから、カプロラクタムの事業環境は悪化が続いている。このため外販事業から撤退し、グループ内のナイロン樹脂事業との連携に特化することで、事業収益の安定化につとめることにした。

 中間原料であるシクロヘキサノンは、今後もウレタン原料、電子材料用特殊用材、塗料、医農薬中間原料などの分野に需要拡大が見込めるため、カプロラクタム1系列停止後も生産量を維持し、国内及びアジアマーケットへ拡販を目指す。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/1213mitsubishi.doc