2001年10月23日
東ソー、日本ポリウレタンへの出資比率を35%に拡大
ビニル・チェーンとイソシアネート事業の連携を強化
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:東ソー

 東ソーは23日、関係会社の一つである保土谷化学工業が保有する日本ポリウレタン工業の株式の一部を同日付けで取得したと発表した。
 これまで同社は日本ポリウレタンの株式の26.7%を保有してきたが、日本ポリウレタンとの連携の一層の強化を目的にもう一方の出資者である保土谷化学から23日付けで8.3%を買い取ったもの。この結果東ソーの出資比率は35%に拡大した。また、保土谷化学の出資比率は従来の73.3%から65%へと変わった。
 
 日本ポリウレタン工業は、東ソー・南陽事業所の隣接地に生産拠点を置き、ウレタン原料のイソシアネートを中心とした化学事業を展開している。中核のMDI(ジフェニルメタン・ジイソシアネート)ではアジア最大の設備規模を誇っているが、需要が年率10%近い伸びを遂げているため、2002年6月には現在の年産14万トン能力の設備を同17万トンに拡大する計画。さらに次のステップとしては同20万トンへの増強も考えている。一連の増設資金は60億円ていどとなる見込み。
 
 東ソーは、この日本ポリウレタンに対して塩素、苛性ソーダ、さらにはユーティリィティなどを供給、同時に、日本ポリウレタンの工場で副生する塩酸を引き取って塩ビモノマーの原料に利用している。つまり両社は、お互いのコア事業であるビニル・チェーン事業とイソシアネート事業を通して極めて密接な関わりを持っているわけで、今回の資本関係の強化はそうしたお互いの連携を一段と強めて相互発展を図っていくための促進材料になると見られている。