2004年12月14日 |
昭和電工の中計「スプラウト」 1年前倒しで達成 |
大橋社長「成長戦略が確実に進展」と強調 |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:昭和電工 |
昭和電工の大橋光夫社長は14日に開いた記者会見で、同社の中期経営計画「プロジェクト・スプラウト」の進捗状況を説明した。 同社長はまず、現状について「スプラウトの2年目が終了したところだが、目指してきた構造改革はアルミ事業部門を除き全て目標を達成できた。ハードディスク部門の世界ナンバーワン事業への育成、石油化学事業部門のわが国最高レベルへの競争力引き上げ、高付加価値のSMU製品の育成強化など、スプラウトが目指す成長戦略を順調に実現できた1年だった。これに伴い財務内容は1年前倒しして目標をクリアし、営業利益も1年前倒しして500億円を計上できる見通しになった」と、プロジェクト・スプラウトが極めて順調に進展していることを強調した。 05年の目標については「現状に満足せず、成長戦略事業部門の一層の拡充、アルミ部門の再構築の貫徹、発芽した新規テーマの迅速な事業化等によって、個性派化学の確立と高収益体質の構築を確実に実現し、520〜525億円の営業利益確保を目指していくことが大切だ」と語った。 <大橋社長の発言要旨> ○「スプラウト」では「無機・アルミと有機の技術融合による個性派化学の確立」を目的に「ITネットワークライフ」「カーライフ」「アメニティライフ」の3大市場に向けて合計12のSMU(ストラテジック・マーケット・ユニット)製品に集中して高付加価値製品の育成強化を図ってきた。 ○ その結果、ハードディスク部門の再構築事業から成長戦略事業への復帰、石油化学部門の基盤事業化、青色LEDの開発と事業化--等々多くの成果を上げることができた。かねて目標としてきた成長戦略に確かな進展が見られた年になった。これに伴い財務目標もスプラウトの最終目標年を1年余してクリアすることができた。 ○ 04年の業績は、売上高7,350億円(05年の同計画値6,800億円)、営業利益500億円(同500億円)--と当初の計画目標を1年早くクリアできた。有利子負債は04年末で5,100億円となる見込み。03年に対して174億円の減少で、スプラウトの目標であった05年末5,200億円を前倒しで実現できることとなった。 ○ 事業構造の改革に当たっては、事業ポートフォリオを成長戦略、基盤、再構築の3種類に区分して収益力の強化を推進してきた。その結果、再構築事業に位置づけていた石油化学・ハードディスク・汎用セラミックスについては徹底したコストダウンと開発力の強化ならびにアライアンス等によって再構築を完了、HDは成長戦略事業に、そして石油化学と汎用セラミックス事業は基盤事業に組換えを実施できた。 SMU製品事業では、HDを世界ナンバーワン事業に変革、またアルミ高分子固体コンデンサーやC4F6ガス、VGCF-Sなども順調に拡販していける見通しとなっている。一方、新たな発芽と言えるものの一つの青色LEDでは独自の技術で市場最高級の出力を達成して05年から本格販売を開始できる見通しにあり、オートプレップや有機ELも着実に伸びている。 ○ 石油化学部門では、エチレンプラントの競争力をわが国最高レベルに引き上げることができ、ナフサ価格の変動に強い抵抗力を発揮できるようになった。また、日本酢酸エチルの設立によってアセチルチーェーンの拡充を実現でき、中国市場に従来以上に積極的に参入していけるようになった。 ○アルミニウム部門については、コストダウンの徹底と高付加価値製品の拡大に取り組んでおり、05年には成果をきちんと出していきたい。 ○「スプラウト」は05年が最終目標年なので、残された課題の遂行と、次期中期経営計画(ポストスプラウト)へ向けた土台固めのため、成長事業の拡大と発芽した新規テーマの早期事業化をきちんと実現していくことが大切だ。基本は、成長戦略の加速によって「個性派化学」のさらなる発展を図り、同時に財務体質の一層の強化を実現することに置くべきと考える。05年の営業利益は520〜525億円をターゲットにしていくことが望ましい。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/1214sdk.doc |