2004年12月21日 |
東ソー、ノロウイルス検出用キットを発売へ |
集団食中毒ウイルスの短時間検出に威力 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:東ソー |
東ソーは、集団食中毒のウイルスの早期発見に威力を発揮すると見られるノロウイルス検出用キット「TRCシステム」を24日から販売する。 同シシテムは、人の排泄物等の中のノロウイルスの遺伝子を増幅することで迅速にRNAを検出する装置「TRCR-160」と試薬「TRCRtestNoro1およびTRCRtestNoro2」を組み合わせたもの。価格は装置が1台360万円。試薬が48回分セットで6万7,200円。 従来は、集団食中毒が発生しても原因物質のウイルスの検出に半日もしくはまる一日かかるため対応が遅れがちであった。冬場にはかきによる食中毒が発生するケースが多いが、風邪による腹痛と自己診断して深刻な事態を招く例も少なくない。 今回同社が開発したシステムでは、重要な原因物質であるノロウイルスを2時間ていどで検出できる点が大きな強み。 同社は、科学計測ビジネスの拡充策の一つとして遺伝子検査システム分野への進出を図ることにして、昨年末いらい腸炎ビブリオ用、サルモネラ用、O-157用--の計3種の検出システムを開発・上市してきた。これに今回の食中毒用が加わることで、同社の遺伝子検査ビジネスの守備範囲は大きく広がることになる。 今後さらに結核検査用や性感染症用なども開発して来春以降に順次戦列に加えていく考え。これら新キットも含めた検査・診断システム全体の09年度における売上げ目標は130億円。科学計測部門全体の03年度の売上高は約200億円であったが、04年度は220億円に拡大する見込み。 |