2004年12月22日 |
新日鐵化と三菱化学、フェノール・ビスAの合弁事業を解消 |
今後は独自の戦略で事業展開 |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:DSM、新日鐵化学、三菱化学 |
新日鐵化学と三菱化学の両社は22日、05年3月末かぎりで「新日本フェノール」及び「新日本ビスフェノール」におけるフェノール・ビスフェノールAの合弁事業を解消すると発表した。 両社は、ポリカーボネート樹脂原料の調達を目的として、1989年9月に共同で新日本フェノール及び新日本ビスフェノールを設立。1993年9月にフェノール設備(オランダDSM社の改良トルエン法)、ビスフェノールA設備の稼動を開始した。 しかし、フェノールの原料であるトルエン価格の高騰などから、コスト競争力上の課題を抱えていた。このため05年6月末をめどに設備を停止しフェノール製造を終了することにした。これに先立ち、同年3月末に合弁を解消し、いったん新日鐵化学の100%子会社とする。これを機に新日本ビスフェノールの合弁も解消する。今後は両社が独自にフェノール、ビスフェノールAの生産・供給体制を強化していくことにした。 新日本ビスフェノールは、新日鐵化学が05年3月末に三菱化学の持分(24.3%)を譲り受け、新日鐵化学の100%子会社とする。 新日鐵化学はこれとあわせて、韓国の錦湖P&B化學(KPB)との提携を強化し、同社が現在建設中の最新鋭フェノール生産設備(増強後年産能力28万トン 2005年4月完工)からのフェノールおよびアセトンを主原料としてビスフェノールA事業を再構築・強化する。 新日鐵化学は2000年7月にKPB社に出資し、日韓2つの生産拠点体制下でフェノール・ビスフェノールA事業を展開してきたが、今後はフェノール生産拠点をKPB社に集約一元化する。新日本ビスフェノールのビスフェノールA生産設備、並びに韓国・KPB社の生産設備によりビスフェノールA事業を展開する。 一方、三菱化学は、昨年7月鹿島事業所のフェノール生産能力を年産18万トンから25万トンに、また今年12月には黒崎事業所でビスフェノールAの生産能力を年産10万トンから12万トンに引き上げるなど、独自にフェノール・ビスフェノールA事業の強化を図ってきた。今後も、同事業を石化セグメントにおけるコア事業の一つと位置付け、事業展開を図っていく方針である。 <関連会社の概要> ◆新日本フェノール株式会社 本 社:東京都品川区西五反田7-21-11(新日鐵化学本社内) 工 場:福岡県北九州市戸畑区大字中原先の浜46-80(新日鐵化学九州製造所内) 生産能力:フェノール 年産12万トン(1991年3月完工) 社 長:神永 信一(新日鐵化学シニアエグゼクティブオフィサー化学品事業部長) 資 本 金:480百万円 出 資:新日鐵化学 87.5% 三菱化学化学12.5% 事 業:フェノールの製造・販売 ◆新日本ビスフェノール株式会社 本 社:福岡県北九州市戸畑区大字中原先の浜46-80(新日鐵化学九州製造所内) 工 場: 同上 生産能力:ビスフェノールA 年産10万トン(1991年3月完工) 社 長:神永 信一(新日鐵化学シニアエグゼクティブオフィサー化学品事業部長) 資 本 金:490百万円 出 資:新日鐵化学 75.7% 三菱化学24.3% 事 業:ビスフェノールAの製造・販売 ◆錦湖P&B化學株式会社 本 社:大韓民国全羅南道麗水市華峙洞319 工 場: 同上 生産能力:フェノール 年産13万トンを28万トンへ増強(2005年4月完工予定) キュメン 年産 9万トンを42万トンへ増強(2005年4月完工予定) アセトン 年産 8万トンを17.2万トンへ増強(2005年4月完工予定) ビスフェノールA 年産13.5万トン(2002年12月能力増強工事完了) 社 長:柳 明 烈 資 本 金:143,712百万Won 出 資:新日鐵化学 21.8% 錦湖グループ他 78.2% 事 業:フェノールおよびビスフェノールAなどの製造・販売 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/cgi-bin/fax/search.cgi?CODE=3005 |