2004年12月24日
三井化学、PTAの対中輸出価格を調整へ
1月分はトン900ドルでノミネーション
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は24日、中国のポリエステル繊維メーカーなどPTAの需要家各社に対してPTAの1月の輸出価格をトン当たりCFR900ドルにしたい旨を伝えた。

 12月分の価格は、同社が同970ドルにしたいとオファーしているのに対して中国側が引き下げを強く求めてきているのでまだ現時点では決まっていないが、現在の中国のポリエステル繊維メーカーの置かれている厳しい市況環境から判断すると、満額回答を得るのはかなり困難と言えそう。そうした中で三井化学が1月のノミネーション価格を引き下げることにしたのは、1月いっぱいが同繊維の不需要期に当たるので同繊維メーカーからの値下げ要求がこれまでになく強くなってきていること、さらにはスポット相場が同900ドルレベルにあること--等を考慮したためという。

 もっとも、最近の中国向け化学製品の輸出価格は、中国側の買い控えの動きの広がりによって急カーブの下降線をたどりつつある。そうした中における同社のPTAのノミネーション価格の引き下げ幅は、平均を大幅に下回っている。これには、PTAのアジア地域全体の需給バランスが引き続きタイトのまま推移していて今後も緩和される見通しにない点が強く影響していると見られる。