2001年10月22日 |
4大樹脂の出荷の1~9月累積、PPだけ前年を維持 |
輸出は軒並み大幅に縮小、全体の足を引っ張る |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:なし |
汎用4樹脂(ポリオレフィン3樹脂とポリスチレン)の出荷の今年1~9月の累積は、PPを除く3樹脂が前年同期を下回った。PPの場合も伸び率はわずか0.2%にすぎず、全体に当初の関係者の予想をかなり下回るかたちになっている。これには、輸出の大幅な落ち込みが特に大きく影響していると言ってよく、各樹脂メーカーがこの点を視野に置いて今後の企業戦略をどう考えていくかが注目される。 各樹脂の1~9月期の累計のうちの国内向けを見ると、前年同期を上回っているのはPPだけ(2%増)。他の樹脂はいずれもマイナス成長となっている。LDPEとHDPEはともに1%にとどまっているが、PSは9%もの減少となっている。 PPの国内向けが前年を上回ったのは、最大消費グレードの射出成形用品種が3%増となり、また同品種に続く大型消費グレードのフィルム用品種も2%の成長を遂げたことによる。 反面、両PEがわずかながら前年を下回ったのは、メーンのフィルム用品種がそれぞれ2%と6%縮小したことによるところが大きい。LDPEの準メーンの加工紙用も2%減、HDPEの準主力の射出成形用も同じく2%減であった。PSの主力の包装用は6%減、準主力の電機・工業用は19%もの減少となっている。 しかし、より深刻なのは輸出の大幅な落ち込みである。LDPEが25%減、HDPEが21%減、PPが13%減、PSが14%減--と軒並み大幅に前年を割り込んでいる。これら樹脂業界によると、中国を始めとしたアジア地域のユーザーの安値オファーに応じられなくなったことが主因という。今後もアジア相場の回復に多くを期待できないだけに、輸出の先行きは厳しいものとなりそう。 各樹脂の1~9月計の出荷量は次の通り。かっこ内は前年同期比。 [LDPE] ▽国内=1,161,663トン( 99%) ▽輸出= 157,669トン( 75%) ▽合計=1,319,332トン( 95%) [HDPE] ▽国内= 725,597トン( 99%) ▽輸出= 154,478トン( 79%) ▽合計= 880,075トン( 95%) [PP] ▽国内=1,817,275トン(102%) ▽輸出= 238,467トン( 87%) ▽合計=2,055,742トン(100%) [PS] ▽国内= 672,760トン( 91%) ▽輸出= 96,351トン( 86%) ▽合計= 769,111トン( 91%) |