2005年01月11日 |
旭化成ケミ、SMの輸出価格にフォーミュラ設定へ |
中国の需要家の同意を得るべく交渉を開始 |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:旭化成、旭化成ケミカルズ、日本スチレン工業会 |
旭化成ケミカルズは、SM(スチレンモノマー)の輸出価格の最適化を目的に新たな輸出価格決定フォーミュラーを設定する方針を固め、最大の仕向け先である中国の需要家各社に計画内容を説明するとともに同意を得るための説得を開始した。 これまでSMの輸出価格は、中国側の強い希望に沿って前月のアジアのスポット相場を基準に月ごとに同社などSMメーカーと中国の需要家とが話し合う中で決定されてきた。しかしこの方式では原料価格の変動に対する適正な対応が容易でなく、このため同社をはじめとしたわが国のSMメーカーの多くが逆ザヤの輸出を余儀なくされるケースもしばしば見られた。 そこで同社では、サプライヤーとユーザの双方に取って整合性があり、国際的にも広く適用されている原料価格スライド制を新たに採用していくことで輸出の採算確保を図っていくことにしたもの。 具体的には、原料ベンゼンの国際価格の平均とナフサのC&F/ジャパンの平均を基準にして翌月の価格を決定する方式を採用したい考え。基準の一つとするBZの価格については、US/CPとアジア/CPをミックスしたかたちのもので構成したいとしている。できれば2月の輸出分から適用していきたい意向である。 日本スチレン工業会の推定によると、中国のSMの需要量は過去数年10%前後の伸びを続けており、昨年の総需要量は前年比10.2%増の約450万トンに達したと見られている。ただし、自給能力はまだ小さく、このため多くを海外からの輸入で賄っており、昨年1〜11月合計の輸入通関数量は前年同期の10.45増の267万8,346トンに達している。最も多いのは日本品で、同期の累計は同20.0%増の99万9,801トンとなっている。 今後も中国の需要は毎年11〜12%の伸びを続けるというのが同工業会の見方だ。それに対する自給能力は引き続き需要量を大幅に下回ったままの状態で推移すると見られており、したがって、今後も中国の需要家とわが国のSMメーカーはお互いに利害を共有しあっていくことが重要ということになる。 |